温泉はたまに入るからありがた味がある。毎日となると感激しなくなるのは人の常だ。50インチの大型テレビだって、1週間もすれば見慣れてしまうし、高級寿司だって毎晩では飽きてしまうだろう。カラダにいい、という人もいるかもしれない。しかし、地下1000mの深さから無理やりくみ上げた「天然温泉」だと、泉質はどこにでもある「ナトリウム塩化物温泉」だ。くみ上げた「天然温泉」に水道水を混ぜて利用するとすれば、効能もさぞ薄まっていることだろう。しかも、よく考えてみれば、「天然温泉」があふれる湯船にゆっくりつかるのは、肌寒くなる秋から冬ぐらい、夏はシャワーだけで済ます人が多いのではないだろうか。なのに、「天然温泉」の水質管理やポンプの動力費など、毎月の維持管理費用を負担しなければならない。また、水道配管とは別に、「天然温泉」専用の配管が余分に必要となるので、そのぶん確実に工事費が上昇する。「天然温泉」は、デベロッパーのマンション差別化戦略のひとつ。あなたが本当に「天然温泉」を望んでいるのかよく考える必要があるだろう。
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